地元の資源を活かした地域の活性化2011年01月05日 14:58

 2010年9月25日の田中優氏の講演「地元の資源を活かした地域の活性化」のメモです。記録者による改変の可能性があります。

 NPOバンクで市民から資金を集め、それを元に地域の事業を創り上げるシステムを理解する必要がある。
16年前に市民の未来バンク事業組合を設立、累計9億円融資、資本2億円、全国に12団体

学習サイト・全国NPOバンク連絡会→ http://npobank.net/ 重要、NPOバンク設立資料あり
その他のNPOバンク ・未来バンク事業組合→ http://www.geocities.jp/mirai_bank/ ・ap bank→ http://www.apbank.jp/ ・北海道NPOバンク→ http://npobank.blogspot.com/ ・東京コミュニティパワーバンクク→ http://www.h7.dion.ne.jp/~fund/ ・NPO夢バンク→ http://www.npo-yumebank.org/ ・ツルミン・バンク→ http://www.nice.ne.jp/bank/ ・もやいバンク→ http://moyai-bank.org/

 福岡県大木町ではバイオガスプラントを建設し、し尿+生ごみからメタンガスと液肥をつくり全国の自治体から注目されている。このシステムの導入で、町内のゴミが44%削減され、現在ではゴミ0を目指しているという。
学習サイト・おおき循環センターくるるん→ http://kururun.jp/

 田中優さんは全国にNPOバンクを増やすことを目標にしている。市民が銀行やJAに預金すると、その資金は国の公共事業に使われて(借金になる)。最悪は海外に投資され、地域も日本も潤わない。地域の活性化とは自分達が住んでいる地域で、お金を回す(消費循環させる)ことです。

 例えば、足立区東和商店街の試み。地域の学校給食の民営化の際に業務を受託し、食材はすべて地域の商店街から供給するようにした。地域の商店街にお金が落ちるので商店街は潰れないですむ。さらに自治体の敬老祝金を現金に変えて、「地域の共通商品券」を発行してもらうこととした。それで毎年4億円が地域の商店街に回るようになった。
学習サイト・田中優氏講演「お金が変われば世界が変わる」→ http://www.design.kyushu-u.ac.jp/~tomotari/tanaka.html

 この方法を発展させると、生活保護の3割が自治体負担だがこれを、一割増の「地域の共通商品券」で発行するというのはどうだろうか。その他の行政のお金も地域商品券で配布しては。一割増でも大丈夫、ビール券は17%が使われない。使わない人、使わないで無くしてしまう人が、かならずいるのです。

 地球温暖化の話をすると、こまめに節電しましょう、車をできるだけ使わないようにしましょうと、ライフスタイルの問題にすり替えられている。それは間違いです。家庭のCO2排出量は多めに見積もっても日本全体の20%、日本全体の排出量の半分は、たった153事業所から出されている。
 企業は電気を使えば使うほど安くなる料金体系です。ただし最大消費量が伸びると電気料金が高くなります。だから企業は最大消費は大きくせずに、全体として消費量を増やすと製造コストが安くなります。こんな料金体系では企業が省エネを推進するわけはありません。

 家庭でのCO2の排出は、電気38.4%、車28.5%です。電気消費の四天王はエアコン25.2%、冷蔵庫16.1%、照明16.1%、テレビ9.9%で電気消費量の3分の2を占めます。省エネ洗濯機は殆ど意味がありません。全体の1%の電気消費量しかないのですから。
 まず省エネ機器に買い換えるなら冷蔵庫です。冷蔵庫は1995年の1/10の電気消費量に激減しました。新しい冷蔵庫に買い換えると、1年で27,328円電気料金が安くなります。(68kWh/月の冷蔵庫)

 イニシャルコストをランニングコスト化して、時間差があるときには金融を使うのは常識です。
 NPOバンクでは冷蔵庫購入に下記のような融資をしています。融資額は10万円、返済額は毎年2万円x5年間。本人は毎年7,328円以上トクをしながら、新しい冷蔵庫を手に入れた。冷蔵庫は通常12年使われる。返済完了以降は毎年27,328円トクをすることになる。
 地域で融資すると顔が見えるから必ず返してくれる。今後1年4ヶ月冷蔵庫を使うなら、このシステムを利用すべきです。

 省エネを説教して人に進めてはいけません。「儲かりますよ」とささやけば万人が話にのってきます。計算式は割愛しますが、電球を電球型蛍光灯やLED球に買い換える時も、相手がトクだけをする同様の融資ができます。
一日5.5時間 5.5x0.05kwhx365日=100.375kWh 100.375x24.7円=2,479.3円/年
省エネ電球の場合、一球600円とすると、3ヶ月弱で600円を取り戻せるので、支払いを3ヶ月遅らせるとタダで手に入れたのと同じになる。寿命は8~10倍長いから、それだけトクになる。LED球3W,1800円を8ヶ月に払ってもらう

 エアコンについては、エアコン性能偽装の疑惑がありCO2排出量を増大させる可能性がある。また冷媒に使用される代替フロンは、強力な温室効果がCO2の3400倍以上。結論として、現状において、ヒートポンプの推進は、CO2排出量を増大させる可能性はあっても、排出量を大幅に減少させることはない。
経済産業省は1月31日、日本工業規格(JIS C9801)「家庭用電気冷蔵庫及び電気冷凍庫特性及び試験方法」の改正を発表した。
http://www.kikonet.org/hakko/archive/ht/ht215.html

 日本は石油代金として毎年20兆円払っている、これは地域も日本も潤わないお金。
 ガソリンエンジンのエネルギー効率は12%、電気自動車は発電所の効率の40%がネックだが、太陽熱発電を電気自動車に回せば効率は70%以上になる。
 既に急速充電できる、高効率電池スーパーキャパシタや、東芝のSCiBという高効率電池が発売されている。
学習サイト・スーパーキャパシタ→ http://www.nec-tokin.com/product/cap/sucap/sucapm.html
学習サイト・東芝のSCiB→ http://www.scib.jp/
学習サイト→ http://ja.wikipedia.org/wiki/電気二重層コンデンサ

 省エネ化で電気消費は半減でき、電流の直流化でさらに2割減。電圧が必要なければ太陽光発電は1.6倍効率化できる。さらにスマートグリットの導入が電力の地産地消を可能にする。
 エネルギーの地産地消が可能になれば膨大な送電ロスはなくなる。日本で地熱発電をすれば必要電力の30%がまかなえる。また犬吠埼沖での海上風力発電で、東京電力のすべての電力がまかなえる研究結果も出ている。
小水力発電は4.5mの長さで4人家族が自給できる。

風速50mでも発電でき、低周波騒音もバードストライクもないマグナス風車が既に実用化されている。
学習サイト・株式会社MECARO→ http://www.mecaro.jp/

ジャイロダイナミクス社の波力発電は和歌山での実証実験を終えてベンチャーとして活動している。
「波力発電知って」ジャイロ式システム、すさみで見学会・紀伊民報(2010年01月19日更新)
http://www.agara.co.jp/modules/dailynews/article.php?storyid=182717
(株)ジャイロダイナミクス 兵庫県 神戸市 中央区磯辺通1-1-18カサベラ国際プラザビル
http://www.innov.kobe-u.ac.jp/staff/s-v_achievements/index.html

 地域活性化と自然エネルギー普及は共存できます。地域経済は「地域の資金量x回転数」で測ることができる。海外に資金が流れるのは最悪です。
 地域共通券は資金の回転数が上がる。エネルギーは96%が輸入→地域で自給に変える。木材の80%輸入→自給に。食料の60%が輸入(カロリーベース)→自給に。これが地域の活性化に繋がる。
 一品一村運動はダメです。売れているものを地域産にかえていく、需要に見合った品を供給する。エネルギーの自給が大切です。教育費の東京集中はダメ→地域の大学に進学させる。

 神戸→東京より、シンガポール→東京の運送費が安い。国境線を越える石油が非課税である。これが経済のグローバリゼーションを成り立たせている。

 国産材を使うと、輸送時のCO2排出量が1/20になる。木材は成長よりも長い時間をかけて使えばよい。60年で育った杉を歩留まり50%で、30年で壊すと効率は1/4、結果として住宅は人生最大のゴミとなる。
 熱帯産のベニヤ板はコンパネ利用で1ヶ月でゴミにされる、これが海外の森を破壊。杉の価格はピーク時の1/8。自国の森林資源を利用し、再びきちんと植林すれば、国内と海外の森が保全できる。

皮むき間伐は小学生でもできる。立木のとき250%水分が、皮むき間伐1年後で19%に、重さ1/3以下となり、林道がなくても集材が可能になる。

新潟さいかい産業ペレットストーブは木の皮も原料にできる。→ http://www.saikai-sangyo.com/

例えばハウスの熱源をペレットストーブに変更する。
先に買ってもらう、ペレット・コメ・

天然住宅は非営利の住宅会社、面で作る住宅、山側に5,6百万払う。燻煙乾燥プラント

 人間の体に入る物質の、食べ物・飲み物からの摂取量は重さベースで全体の15%。83%の摂取は空気からです。しかも空気の摂取の69%が室内からなのでシックハウスは深刻な問題。NPO天然住宅はオーガニックな住宅を目指している。

"鹿児島" "エコパーク" 豚が耕運機になる、飼料米に豚を放す、
http://www.ep-kagoshima.or.jp/tender/pdf/nyusatsu/kijun.pdf

竹害、"竹パウダー"、乳酸菌発酵、飼料になる、畑にまく、
http://www.ecm-japan.co.jp/
http://www.eco-take.com/
http://www.ruralnet.or.jp/gn/201004/kant_take.htm
http://www.ruralnet.or.jp/gn/200904/kant.htm
http://kubittake.jp/

 近年、急速に拡大する竹林が竹害と言われているが、竹はパウダーにすることで畑の肥料になり、さらにビニール袋に入れておくと、乳酸発酵して飼料になる。現在、配合飼料の殆どが輸入だが、これを竹パウダーに変えれば、食料自給は52%に向上する。
さらに木質資源は急速熱分解で、重さの70%がバイオオイルできる。

エコで平和な暮らし方2011年01月05日 15:07

 2009年8月30日の田中優氏の講演「エコで平和な暮らし方」のメモです。記録者による改変の可能性があります。

 キリマンジャロの雪解け水が、乾季の動物の命の水だが、現在では殆ど雪解け水が無くなった。
 北極圏のアザラシの子どもは2週間は流氷の上で育つ。しかし流氷が早く解けるので20万頭のアザラシの子どもが死んで、イヌイットには餓死者が出た。

 地球温暖化がCO2のせいでないにせよ、ノーリフレットポリシー=後悔しない選択が必要。20年後にCO2が原因だと分かっても、今、対策を取らないと間に合わない。疑わしいものは排出させない。95%の科学者はCO2原因説を支持している。
 水俣病は有機水銀が原因とは実証されていない→だから有機水銀の排出を規制しなかったらどうなっただろう、熊本県民の人口は半減しているのでは?

 化石燃料に依存したままの世界の問題は、石油のピークオイル。ピークオイルとは、
①発見された油田の量(大きな油田は1980年まで見つかっていて、その後は見つかっていない)
②世界の石油の消費量はどんどん伸びている。
③油田から取れる石油の量は、ピークを過ぎると急激に取れなくなる、急激に生産量が減る。

 石油の生産量が頭打ちになると(ピークオイル)、高くなっても買わないといけなくなる。最上流の油田を握ったやつが絶対金儲けできる。
 国際エネルギー機関IEAの出したグラフでは、2008年1月がピークオイル迎えてしまっていた。リーマンショック、サブプライムローン、そこからの不況はそれが要因では、と世界ではいわれている。

 景気が良くなると、石油が値段が上がってノッキングを起こす。イラクで100万人を殺した軍事侵攻だが、結局大量破壊兵器はでっち上げだった。アメリカはイランにも襲いかかろうとしたのは、イランが油田を持ってるから。アメリカはベネズエラのチャベス大統領を暗殺しようとした。→化石燃料は紛争の原因になり続ける。世界の紛争地は化石燃料・鉱物資源・パイプライン・水資源で起こる。
 (新しい国)新疆ウイグル自治区、石油の油田、天然ガスの油田、カスピ海に繋がるパイプラインが通っている、だから中国は他国の領土なのにウイグルを手放さない。
 チベットは、油田が見つかり、鉱物資源(希少金属)が13兆円ある。2002年に開通した世界一高い場所を通る青蔵鉄道で最初に通ったのは貨車であった。鉱物資源を取るための鉄道である。
 ガザの紛争は、1992年にガザの自治政府に譲渡した領海を2000年に調査したら、大規模な海底ガス田が見つかった。このままではハマスに毎年43億円の収入が入ってしまう。→イスラエルが一方的に軍事進行し、海沿いと漁船を中心に破壊した。今でも浜に顔を出すと撃たれる。
インドネシアのアチェ州も、東チモールも、南米も同じ構図です。
エネルギーを自然エネルギーに変えることが戦争を無くすもっとも有効な方法です。

 以前のドイツのシュレーダー大統領は盛んに次のように言っていた。「本当のエネルギー・セキュリテイーは他所の国を軍事侵略することではない。その地域で生み出すことができる自然エネルギーを伸ばしていくことだ」日本を除く全ての先進国はおもいっきり自然エネルギーにシフトしている。

 百年後のエネルギーは何ですか。石油41年分、天然ガス65年分、ウラン85年分、石炭155年分(CO2の排出が天然ガスの倍)。百年後のエネルギーは自然エネルギーしかありえない!
 欧州は、だとしたら50年後はどうあるべきか、20年後はどうあるべきか、バックキャスティングで将来を考えている。

 軍事費を他の用途に使えたら何ができるか。計算をしてみた。
 途上国では3秒に一人子どもが死んでいる。ミンダナオ島ではバナナやパイナップル農場の脇で、子どもが飢えて死んでいる。フィリピンは先進国に莫大な借金を抱えている。外貨で返済しなければならない。元本は返し終わっても金利が金利を生んで、ずーと返さなければいけない状態になっている。
 途上国のサラ金状態を援助で抜け出させること、たった一年分の世界の軍事費で途上国の問題は解決して、お釣りがくる。

 この惑星の生きものは変わった生きもので次のような決心をしたようだ。「お互いを助けあうことだけは止めよう。殺し合うよう努力しよう」自殺を願ってる惑星になっている。
 これは経済用語で「合成の誤謬」という。ちっちゃな点では正しいことでも、全部並べると全体として大間違いなる。

 軍事で排出されるCO2の莫大な量、軍事での排出を止めなければ、地球温暖化は止められない。
 戦車の燃費は250m/Lです、F15が全速力で8時間飛ぶと、日本人一人が一生で排出するCO2が排出される。

3つの方法がある。
①縦・政治家になる、政治家に働きかける、縦の動き
②横・多くの人に伝えることでムーブメントを起こす
③斜め・全く新しい第3の道、
 地球温暖化をライフスタイルにすり替えるのは間違い。家庭の排出量は最大でも20%。166事業所が日本の半分を排出している、最大の排出は発電所です。
 51の火力発電所が日本の1/4を排出している。効率の悪い発電所を最大効率の発電所に合わせる(トップランナー方式)とCO2の排出は半分になる。家電製品はトップランナー方式になっている。つまりその対策だけで日本の1/8の排出が無くなる。
 日本では20社でCO2の40%を輩出し、そのうち10社は電力会社です。まずは電力会社にやれることをやらせること。
 温暖化対策は原因を調べ、大きなものから対策を講じることが大切、自己満足のためではない。

 電気の欠点は貯めることができない。電力ピークは1年間で10時間=0.1%しかない。ピーク消費量の91%は事業者向けで、家庭は9%しかない。
 事業者向け電気料金は使うほど料金が安くなっている。使えば高くなる料金体系にするだけで、企業は最低3割は省エネする。企業は省エネ製品を入れていない、ピークが上がるのは当然。

 日本の平均電気消費量は58%、ドイツ北欧では72%、つまり需要の波が激しい。北欧並に需要をコントロールできれば、1/4の発電所はいらなくなる、フランスは夏場の昼間のピークになると電気料金が11倍になる。だから買わなくる。
 アメリカではエアコンの電気系統を別にして、ピークには電気会社がエアコンの電源をリモコンで消す、1000万世帯以上が参加している。→5分づつ消すと12軒で1時間止められる。通常30分に5分の割合でエアコンを消しても通常は気づかない。

 電子式グロウ球は蛍光灯の寿命を縮めない。蛍光灯の反射板に銀紙を貼ると、3本に1本減らせる。事業者でも有効な省エネ対策です。
 水力は風力の800倍のエネルギー密度がある。5分とか1.5分で急速充電できるバッテリーをすでに開発されている。

 ドイツは、地球温暖化防止・技術の革新・雇用の創出の3つのことを同時に行った。
 太陽光発電を伸ばす→キューセルフが急成長して、シャープを抜いた。風力発電もかつては三菱重工が優れていたが、世界で第14位に落ちてしまった。国家として自然エネルギーにシフトしたドイツなどには勝てないのです。日本では電力会社が自然エネルギーを率先して購入する制度が非常に弱いからです。
 ドイツは国策として自然エネルギーにシフトしたため、あらゆる自然エネルギーの分野で世界一を獲得するようになった。
 技術の革新で、自然エネルギー産業の雇用が創出され、27万人の雇用が生まれた。CO2の排出に税金をかける炭素税を導入した。当然ドイツも従来の産業界は猛反発した。ドイツ政府は産業界に、この炭素税は企業が負担している年金の半額の補てん(助成金)に使うと説明した。それで産業界は受け入れた。
 すると、アルバイトには年金がないから助成金がもらえない。それでドイツの企業は25万人をアルバイトから正社員にした。合わせて52万人の雇用が送出された。ドイツの人口は日本の2/3なので、日本に換算すると78万人の雇用が創出されたことになります。これはトヨタグループ3つ分の雇用になります。さっそくECはこのシステムを取り入れました。

 スマートグリッド(賢い送電網)、自然エネルギーで100%賄う。将来は自然エネルギーと電気自動車の組み合わせになる。平均すると自動車は半時間/日しか使っていない、電気自動車を蓄電池としてして使うようになる。

 自然エネルギー社会では、エネルギーが余るようになるので、化石燃料をめぐる現在の争いの要因が無くなり、国家よりも地域がずっと重要な社会になる。また危険な原発を継続する必要性は無くなる。

 2つの重要な視点がある。一つは足元を見る虫の眼を持つ→自分に出来る事は何か無いだろうかと足を一歩進めること。もう一つは鳥の眼です。全体の中で自分が立っている位置はどこら辺になるのだろう。
地球温暖化と戦争の問題はセットで解決できるということです。

 太陽光発電ですが、作るエネルギーを回収するのに2年から2年半かかります。オール電化はしない方がいいです。夜間電力が現在のように1/4の値段を維持することは、スマートグリッドが導入されれば不可能になります。
 またオール電化がお得とするCMでは、電磁調理器とエコキュートの購入価格が加算されておらず、それで九州電力は公正取引委員会から排除命令を受けてます。関西電力は警告を受けています。
 コストとエネルギーから試算するなら、小規模水力が一番優秀、二番は風力発電、三番がバイオマスになります。しかし都会で一般家庭が簡単に利用できる自然エネルギーは、太陽光発電になるでしょう。

 プラハでオバマは、先制的核攻撃はしないと演説した。それに対して「先制攻撃をしないなら核を持ってる意味が無い」と主張しているのが日本政府。日本の外務省出身者が日本政府の代理として出向きそう話した。日本政府は追認している。詳細はyoutubeで「憂慮する科学者同盟」を検索して下さい。

生物多様性と畜産・美味しいお肉の向こうに消える命2011年01月22日 20:37

 知人から恐ろしい話を聞いた。あまりに衝撃的だったので、いただいたレジメの全文を、許可を得て公開いすることにした。リンク先の情報などで事の重大性を確認していただければ……

 まずネット動画などで、その深刻性を確認したい方はこれ→ http://www.chainsawartpro.com/vege.html

■畜産と環境破壊  http://www.nikusyoku.com/nature/ , http://www.nikusyoku.com/

・過去40年間で南米の熱帯雨林の40%(1750万ヘクタール)は牛肉に変わった
・一日でニューヨークより多くの熱帯雨林が消失
・1kgの肉を生産するのに7.58リットルのガソリンが必要
・人間に起因する二酸化炭素の5分の1は畜産業によるもの
・世界の森林伐採の原因の第一位が畜産用の飼料の生産のため)
・メタンガス(二酸化炭素の23倍の温室効果ガス)の21%が畜産業に起因
 ※現在では51%以上という報告もある(世界銀行データより)

■フィットフォーライフ グスコー出版

・外国産の牛肉100グラムを食べるとき、あなたは4.4坪の熱帯雨林を破壊していることになる。

■ベジタリアンネットワーク
http://www7a.biglobe.ne.jp/~arugama-ma/vegetarian/kankyoissu.html

 ・ハンバーガーを1個作るのに、5平方メートルの森林が犠牲にされています。
(この数値はもっと大きいのもあります)。
 1個100円前後で売られていますが、森林や環境などのコストを考えると、本当のハンバーガーの値段は1個当たり、何百万円になるともいわれています。
 私たちが何も気にせず、食べている肉やハンバーガーがアマゾンなどの熱帯雨林を犠牲にして作られているのです。

 ・世界に畜牛だけで87億人分のカロリーの穀物を消費

■肉食再考委員会 http://japanesefood.blog14.fc2.com/

・ハンバーグ1個(牛肉100g)を食べないことで節約できる資源
 水    2,000リットル(お風呂の湯船10杯分)
 森林   4.5m2(1.4坪)
 ガソリン 20.8リットル(プリウスで738km走行可能)
 穀物   1.6kg
 メタンガス120g(メタンガスの温室効果は二酸化炭素の23倍)

・世界のトウモロコシの生産量は60億トン
 人口一人当たり100kg(68億人のうち飢餓にある人8億人)
 アメリカのトウモロコシの80%は家畜用
 日本のトウモロコシの9割はアメリカからの輸入
 75%が家畜の飼料

・年間で牛が排出する糞尿
 乳牛:25.3トン  肉牛:15.1トン

・日本での家畜の数
 乳牛:1,101,000頭 肉牛:1,705,000頭

・日本の畜産動物が出す排泄物
 乳用牛 2,789万トン
 肉用牛 2,577万トン
 豚   2,251万トン
 採卵鶏   782万トン
 肉用鶏   498万トン
 合計  8,900万トン

・日本で発生する年間8,900万トンの家畜排泄物  うち3割が堆肥化

・世界の牛の数15億
 肉牛と乳牛が同数だとして、、、3兆トン
 1996年のアメリカの家畜の糞尿は14億トン、人間の糞尿の130倍

・2500頭の乳牛を飼育している酪農場から出る排泄物は41万1千人が暮らす都市から出る排泄物の量に匹敵する。(出典:フードインク)

★動植物の絶滅は肉食に深く関係しています。
・毎年100種以上の動物が、絶滅危惧種に登録されている。
・絶滅危惧種の19%から22%が家畜放牧の被害にあっている。
  毎年1%ずつ、中南米の熱帯雨林は姿を消しています。
  熱帯雨林を切り開く主な理由は家畜放牧です。
  中米では、1960年から現在にかけて
  熱帯雨林の25%が家畜の放牧のために切り倒されました。
  熱帯雨林は動植物の宝庫です。
  中南米の熱帯雨林が覆う面積は地球表面の7%だけですが、
  そこには地球上生物の種類の40%が生息しています。

コスタリカの自然公園では、1本の大木に約200種類の動植物が生息しているそうです。

地球上には人間によって発見されていない未確認の動植物が
300万種から1億種いると見積もられています。

現在、科学者によって確認済みの動植物は180万種。
毎年1万種が新しく発見されています。

地球上の動植物の生態について、人間は、たった1%から多くても30%ほどしか知られていないと言われています。
たくさんの動植物が人間に知られないうちに絶滅しているということが言える

■ウィキペディア http://ja.wikipedia.org/wiki/アマゾン熱帯雨林

熱帯雨林は1967年ごろに比べて20%消失した[6]。 2006年の国際連合食糧農業機関(FAO)の報告では、伐採された森林の70%が放牧地へと転換されている[7]。また中国での中流階級の出現と、ヨーロッパでの狂牛病のために畜産のための大豆餌の需要の増大によって大豆畑も増加している[8]。このため、2006年には環境保護団体のグリーンピース (NGO)とマクドナルドなどの食品業者が、カーギル社などの穀物の主要取引会社に対し、アマゾンの転換畑で生産された大豆を2年間買わないようにとの交渉を行い合意された[9]。

世界自然保護基金(WWF)は、2030年までに、最大でアマゾン熱帯雨林の60%が破壊され、この影響で二酸化炭素の排出量が555億トンから969億トンに増える可能性があることを報告した[1]。

アマゾンの森林伐採
1996年に1992年時と比較して森林伐採が34%増加していることが報告された[10]。2000年から2005年にかけての5年間(毎年22,392 km2)でそれまでの5年間(毎年19,018 km2)と比較して18%以上伐採量が増えた[11]。ブラジルではInstituto Nacional de Pesquisas Espaciais (INPE, or National Institute of Space Research)によって伐採が調査された。伐採された土地は乾季に撮影されたランドサットの100?200枚の画像から調べられた。自然の平原やサバンナは雨季の森の損失には含まれない。 INPEによると、元々、ブラジルに於けるアマゾンの熱帯雨林は4,100,000 km2だったが2005年には3,403,000 km2まで減少した。17.1%が失われた[12]

http://www.pteron-world.com/topics/conservation/forest.html
1本の木にどれだけの生物がいるかを確認したところ、なんと5千種類の動植物が発見され、新種もいくつか含まれていたそうです

熱帯雨林にいる生物は地球の何%? http://oshiete.goo.ne.jp/qa/2331292.html
熱帯雨林にいる生物の%は、50%~70%です。
地球温暖化で最も被害を受けているのは、両生類です。
なぜなら彼らの浸透性の高い(粘膜質)の皮膚は気温の変化の影響を受けやすいからです。
過去20年間における地球の気温の急上昇と中南米の何種かのカエルの絶滅は全く時を同じくしています。
全世界に6000種いるカエルやサンショウウオのうち、約3分の1が危機に瀕しています。


http://www.chikyumura.org/environmental/earth_problem/food_crisis.html
「飢餓」になるのは、食糧が十分につくられていないからではありません。穀物は年間19億トン生産されています。これは世界中の人が生きていくのに必要な量のおよそ2倍になります。

1人が1年間肉食をしないと80頭の家畜動物を救うと言われている。
現在地球では100億人の穀物を生産しているのに餓死者が何故でるのか?

■出典:書籍『乳がんと牛乳』 
大豆は環境に優しい農産物である。約4000平方メートルの土地から西洋式農法で収穫した穀物で肉牛を育て、それを食糧にした場合、一人の人間が77日しか生きられない。
この土地で育った麦を人間が食べれば527日生き延びることができる。
しかし、同じ土地で大豆を育てれば、一人の人間の6年間分のタンパク質をゆうに賄うことができる。

「温暖化ガス排出」の王者は牛肉、畜産分野の約80% 【2009年2月16日 AFP】
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2572329/3807742
食べ物と温暖化について語るのであれば、ハンバーガーは温室効果ガス排出の「最強打者」だと、カナダの科学者チームが警告した。
 カナダ・ダルハウジー大学(Dalhousie University)の研究によると、メニューをビーフステーキからサラダに変えるだけで、車を数日間使わなかった場合と同程度の二酸化炭素(CO2)排出を抑制できるという。

■アマゾン流域の森林破壊 http://www.sun-inet.or.jp/~qze13054/menu%20614.html

植物はCO2を吸収し酸素を排出しており、アマゾンは地球の酸素収支の3分の1を担っていると言われている。(CO2は昨今の地球の温室効果の半分に影響を与えているのは承知の通りである。)CO2増加の大きな原因は先進国の排気ガスなどのエネルギー消費が主だが、森林破壊自体によっても17億トンのCO2が排出されている。その上、伐採された樹木も最終的に木材や紙の形で燃やされ、土壌中の有機物もCO2を発生するようになる。また、アマゾンにおいて、多くの生物種(毎日100種以上の動植物)が絶滅に頻している。これはあと40年で地球上の種の4分の1が絶滅するスピードなのである。

 西洋医学で使う医薬品の原料である薬草の25%はアマゾンの熱帯林から発見される。アマゾンのある地域は氷河期にも緑が残ったほどで、種の避難場所となり、地球上の生物遺伝子資源の2分の1が眠っているという世界でもたぐいまれな所である。動植物のうち薬効が徹底調査されたのはわずか2%にすぎず、調査前に猛スピードで動植物が絶滅しているのが現状。

 その中でも「インディオ」という人の種も絶滅の危機に瀕している。500年ほど前に白人がこの地にやってきてから、虐殺、奴隷化、白人の持ち込んだ病気によって当時約1000万人近く存在していたであろうというインディオが現在32万人(FUNAI調査、96年)に減少した。実に 96%が死滅したのである。日本の消費経済を支えている原料は、インディオのジェノサイド(殺戮)を礎として、確立していったともいえる。

 今のまま人類が自然破壊を続ければ、この先30年間、1日に平均100の生物種が絶滅してしまうであろう。

■圧倒的に排出ガスの多い牛肉生産

 これは、牛肉は生産過程が非常に非効率であると同時に、ウシ自身が呼吸や排泄物などで温室効果の高いメタンガスを多く排出するからだと言う。ダルハウジー大のネーサン・ペルティエ(Nathan Pelletier)氏が15日、米イリノイ(Illinois)州シカゴ(Chicago)で開かれた米国科学振興協会(American Association for the Advancement of Science、AAAS)のシンポジウムで報告した。

 全世界の温室効果ガス排出の18%が畜産業関連と言われ、中でも牛肉生産による排出量が最も多い。ペルティエ氏によると、先進国の食肉消費のうち牛肉が占める割合は30%に過ぎないが、畜産業全体の排出ガスの78%は牛肉生産に起因している。

 ウシが食用処理されるまでに食べる穀物の量や、ウシのたい肥から発するガスなどを見ていけば、牛肉にかかっている本当のコストが明確に分かる。例えば牛肉1キロの生産過程で排出されるCO2は重さ16キロ相当で、同じ1キロの豚肉生産の4倍、鶏肉に比べれば10倍以上だという。ペルティエ氏は、牛肉から鶏肉に変えるだけでも、排出ガス量は70%削減できると指摘した。

■「輸送時の排出を気にして地元産」は効果少

 ペルティエ氏の発表を受けて会合後のインタビューで、カーネギーメロン大学(Carnegie Mellon University)のクリス・ウェーバー(Chris Weber)教授(土木環境工学)は、「赤肉を食べるのを止め、乳製品を止めれば、1リットル約10キロ相当の燃費の車で約1万3000キロを走行した時に排出されるのと、ほぼ同量の排出ガスを抑制できる効果がある」と語った。

 一方、輸送過程で生まれる排出ガスを抑えようという考えで、地元産の肉類や乳製品に切り替えてもそれほどの効果はないと言う。輸送過程での排出量は牛肉生産全体の排出量の5%しか占めていないからだ。「週に1回、肉と乳製品をまったく食べない日を作るほうが、1年中毎日地元のものに限った肉や乳製品を食べるよりもずっと大きな効果がある」(ウェーバー氏)(c)AFP/Mira Oberman

■「肉食をやめて温室効果ガスを減らそう」、独研究結果 2008年08月27日 17:00 発信地:ベルリン/ドイツ
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2511945/3268781

【8月27日 AFP】「肉食をやめ菜食主義になれば、温室効果ガス排出量を大幅削減できる」としたドイツの科学者らによる研究結果が26日、発表された。

 ドイツの環境経済研究所(Institute for Ecological Economy Research、IOeW)が消費者保護団体フードウォッチ(Foodwatch)の委託で実施した研究によると、人間が1年間に肉を食べて排出する温室効果ガスの量は、中型車で4758キロメートル走行した際の排出量に相当するという。一方、1年間、菜食のみで過ごした場合の排出量は、この半分の 2427キロメートル相当だという。

 これらの排出量は、人間や動物が生存活動で自然に排出するメタンガスに加え、消費する食品の製造・廃棄過程や農地で排出される排出量を基に算出した。

 肉や乳製品を全く食べない菜食主義者となった場合、温室効果ガスの排出量は、肉食時のわずか7分の1の629キロメートル走行相当で、さらに有機野菜だけを食せば、同17分の1の281キロメートル相当にまで減らすことができる。

 肉の中でも、特に牛肉は環境への負荷が大きい。牛肉の製造課程で排出される温室効果ガスは、牛肉1キログラム当たり71キロメートル走行相当だという。豚肉では、1キログラムあたり26キロメートル相当だ。

 有機農業への転換も排出量を大きく削減できるが、研究結果では「重要なのは、われわれが食生活のあり方を見直すことだ。まず牛肉・牛乳の製産と消費を大幅に削減する必要がある」と指摘している。(c)AFP

06.11.13 牛が環境への最大の脅威 FAO報告より http://saisyoku.com/kn_fao.htm

牛が環境への最大の脅威 FAO報告
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環境問題への最大の原因は、人間が食肉のために繁殖させた15億頭を数える牛だという。
国連食糧農業機関(FAO)発表
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国連食糧農業機関(FAO)が先月末、家畜、特に牛が世界一の環境破壊者となったという調査報告を発表した。
 Livestock’s long shadow,06.11.29 報告書(英文)PDFファイル

 世界の家畜生産部門は、他のどの農業部門よりも急速に成長している。
それは13億の人々の生計を支え、世界の農業生産高の40%を生み出している。

途上国の多くの貧しい農民にとっては、家畜は更新可能なエネルギー源や不可欠の有機肥料源ともなっている。

経済的繁栄とともに、世界の人々は年々多量の肉と乳製品を消費するようになった。
世界の食肉生産は1991/2001年の2億2900万トンから2050年には4億6500万トンに倍増する一方、乳生産量も5億8000万トンから10億430万トンへの同様に増加すると予測される。

 しかし、報告は、家畜、特に牛部門のこのような急速な成長は、気候変動、森林、野生動物にとっての最大の脅威となっており、さらに酸性雨から外来種の導入、砂漠化から海洋におけるデッドゾーンの創出、河川や飲料水の汚染から珊瑚礁破壊など、現在も最も深刻な環境問題の最大の元凶の一つになっていると言う。

 この調査は、牛だけでなく、羊、鶏、豚、山羊が引き起こす環境問題も調査している。
しかし、ほとんどすべての環境問題への最大の寄与者は、世界で15億頭を数える牛だという。

 主に反芻動物に帰せられる家畜部門からの温室効果ガスの排出量は、人間活動で排出される温室効果ガスの18%を占め、自動車や飛行機、その他のあらゆる輸送手段から排出されるすべてを合せた量よりも多い。

 家畜部門から排出される二酸化炭素は、飼料作物栽培のための肥料生産、農場での家畜飼育、その輸送、放牧地造成のための植生刈り払いなどの土地利用とその変化も考慮すると、人間活動により排出される二酸化炭素の9%を占める。

それは、二酸化炭素の296倍の温暖化効果をもつ人間活動由来の窒素酸化物の 65%も生み出す。

さらに、主に反芻動物の消化器から生み出される人間活動由来のすべてのメタン(二酸化炭素の23倍の温暖化効果をもつ)の37%も生み出す。

 家畜は、酸性雨の主な原因であるアンモニアを始めとするその他100以上の汚染ガスも排出し、家畜からのアンモニアの排出すべての排出の3分の2を占める。

 牧畜は世界中で森林破壊の主要な張本人となっており、過放牧は世界のすべての草地と放牧地の5分の1を砂漠に変えた。

 家畜は今や地表全面積の30%を使用している。大部分は永年草地だが、これには飼料生産に使用される世界の耕地の33%も含まれる。新たな放牧地の造成のために森林が刈り払われ、特にラテンアメリカでこれが森林破壊の主要な要因になっている。

以前のアマゾンの森林の70%が放牧地に変わった(2006 年、ブラジルの牛肉輸出額がオーストラリアを抜き、世界第二の牛肉輸出国になるという報道がある→Brazil Beef Export Value Seen Surpassing Australia,Cattle Network,12.11)。

 同時に、牛は世界規模の土地の劣化も引き起こしている。およそ20%の草地が、過放牧、踏み固め、侵食で劣化したと見られる。この数字は適切な政策と家畜管理を欠く乾燥地域ではさらに高まり、砂漠化の進展の原因ともなっている。

 家畜部門は、ますます希少になる地球の水資源への最大の加害者でもある。
フィードロットからの廃棄物や飼料生産に使われる肥料は水を富栄養化させ、あらゆる生き物の命を脅かしたいる。
家畜部門は、とりわけ水汚染、富栄養化、珊瑚礁破壊の最大の元凶となっている。
主要な汚染物質は動物排泄物、家畜の保護と成長促進のために使われる抗生物質とホルモン、製革所からの化学物質、肥料、飼料作物に散布される農薬だ。
広範に広がった過放牧が水循環を撹乱、地表水・地下水に戻る淡水の量を減らしている。
その上、飼料生産のために大量の取水が行われている。

 家畜は、南シナ海の主要な燐・窒素汚染源と推定され、海洋生態系の生物多様性損失の原因となっている。

 食肉・乳生産動物は、今やすべての陸棲動物バイオマスの20%を占める。
広大な土地での家畜の存在と飼料作物需要は生物多様性の損失の原因ともなっている。
調査された24の重要な生態系のサービスのうちの15が退化しており、家畜がその一つの元凶と認められた。

 報告は、劇的な変化がないかぎり、家畜部門による環境損害は、肉需要の増大により、2050年までに倍以上に増大すと結論し、改善のための様々な手段を提案する。

 土壌劣化が起きやすい地域からの家畜の排除や土壌劣化を減らし・覆すような土地利用を奨励する直接支払を伴う土壌保全的農法や林地放牧などの利用、腸内発酵、従ってメタンガスの排出を減らすような家畜飼料の改善や排泄物リサイクルのためのバイオガス工場の設置などの家畜生産と飼料作物農業の効率改善、コストをすべて支払う水価格設定などによる灌漑システムの改善、等々だ。

 しかし、誰が、どうやってこれを実現できるのだろうか。

多くの途上国の農民や政府には、こんなことを考える余裕さえない。
高い水価格は、払えなくて飢え死にする農民を増やすだけだろう。

重大な環境汚染と健康被害を引き起こすと長い間非難が集中してきた米国の”工場畜産”も、環境規制強化を逃れてますます繁盛している。

オーストリア農民は、生態系どころか、都市民の飲み水さえ犠牲に、大量に水を使う輸出農業に励んでいる。

 これらの”技術的”措置が実現したとしても、問題をどれほど軽減できるのかという問題もある。
報告はこの問題には答えていない。

しかし、今年10月に発表されたWWFのエコロジカル・フートプリント(我々が利用する資源を提供し、また我々の廃棄物を吸収するために必要な生物的に生産的な土地と水域の面積)は、2003年にして141億㌶、一人あたりでは2.2㌶で、既に能力の1.8㌶を大きく超えている(2050年、現在の生活スタイルを続けるには地球2個分の資源が必要ーWWF報告,06.10.25)。

家畜に関連した活動がこれにどれほど寄与しているかは不明だが、報告は、牧場や作物栽培のための土地利用を通じて直接的に、(家畜生産における化石燃料の使用からの)二酸化炭素の吸収に必要な面積を通じて間接的に、大きく寄与していると認める(65頁、ボックス)。

 世界の現在の人口は約60億だから、15億の牛が飼育されているということは、平均すれば4人が1頭の牛を飼っていることになる。

1家庭4人とすれば、すべての家庭が1頭の牛を飼っているということでもある。
その上、およそ160億羽の鶏と10億頭の豚もいる。これがフートプリントに巨大な影響を与えていることは間違いないだろう。それが将来は倍に増えるというのだから、これらが実現したとしても現状が改善されるとは思えず、むしろ悪化すると考えるべきだろう。

 この報告の起草者は、肉消費を減らすことこそが環境・自然資源・人間の健康を護る近道だという多くの研究をどう考えているのだろうか。

人間が牛肉から100カロリーを摂取するには、牛は植物から1000カロリーを摂取せねばならず、牛からではなく、植物から直接100カロリーを摂るとすれば、植物生産は10分の1で済む。

米国の研究者は、米国農業や個人の移動により使われる化石燃料に関するデータと食品に関する統計データから、平均的な米国人の肉ベースの食事は、同じカロリーをもつ植物ベースの食事よりも、年・一人当たり1.6トン多い二酸化炭素を生み出すと計算している(肉食か菜食かで食品生産による温暖化ガス排出量に大差ー米国の研究が菜食の勧め,06,4.28)。

 米国における肉牛のフィードロット(一種の牛生産工場)穀物肥育や草地を離れた工業的酪農は、戦後、安価なトウモロコシの大量生産が可能になったことから始まった。
それは今や途上国も含む世界中に拡散しつつある(ワールドウォッチ報告 工場畜産の世界的拡散と環境・健康・コミュニティー破壊に警告, 05.10.1)。
しかし、トウモロコシ(と、やはり穀物肥育に使われるソルガム)を1トン(乾物量)を作るのに必要な水の量は、200トンから300ト ンとされる。
イネ、コムギの300-400トン、マメ科作物の500-600トンと比べれば少ないとはいえ、その生産の急拡大は、地球温暖化の進行に伴う 干ばつの拡大と激化で水資源の一層の希少化が予測されるなか、米国の地下水位を急速に低下させつつあり、給水制限が例年のこととなったヨーロッパのトウモロコシ主産国・フランスでは、トウモロコシ栽培のための大量の灌漑水取水が水不足の最大の元凶と非難を浴びている。

今年の国連環境計画地球水アセスメントは、2030年までに17億増える人口を養うためには、灌漑の効率の大きな改善、天水に頼る作物の収量増加ととともに食肉消費も減らさねばならない、牛肉から500カロリー摂るには米から500カロリーを摂る場合の20倍の水が必要になると言っている(国連環境計画地球水アセスメント 水効率の悪い灌漑農業を止め、肉消費も減らせ,06.3.24)。

 温暖化対策を銘打ったバイオ燃料・エタノール生産の急拡大が、皮肉にも温暖化と水不足の加速に貢献している。
根本的問題は、2050年までに倍増すると いう肉と乳の生産をどう抑制するかではないのだろうか。 家畜生産に生計がかかる途上国の人々が家畜を減らすのは難しいし、好ましいことではないかも知れない。
しかし、少なくとも先進国の大規模”工場畜産”やそ の世界中への拡散には歯止めをかけることが必要だ。
06.11.13 牛が環境への最大の脅威 FAO報告より


参考:FAOとは http://www.fao.or.jp/fao01.html
国際連合食糧農業機関 Food and Agriculture Organization of the United Nations (FAO)

 経済・社会・文化・教育・保健等分野において政府間協定によって設立された世界的専門機関のうち、国連総会の承認を受け国連経済社会理事会 Economic and Social Council と連携関係協定を結んだ国連専門機関のひとつ